嘱託(非常勤)産業医の求人の探し方と、求人を見るときの5つの条件
こんにちは。産業医の角田拓実です。
今回は嘱託(非常勤)の産業医の求人の探し方と、求人を見るときの条件について解説していきます。
嘱託の産業医は、月1回〜隔月1回ほど企業を訪問して働く、いちばん多い働き方です。勤務医を続けながら1社ずつ増やしていけるので、副業として始める先生も多くいます。
ただ、求人を見ると、報酬も訪問の頻度も企業の規模もばらばらです。どれを選べばいいのか迷う先生は多いと思います。
この記事では、私が嘱託の求人を見るときに最初に確かめている条件を中心にまとめます。
Dr.瑛理嘱託の求人がいくつか届いたんですが、報酬がいちばん高いものを選べばいいんでしょうか?



報酬だけで選ぶと、続かないことがあります。私は報酬と一緒に、距離と企業の人数を見ています。
嘱託(非常勤)の産業医求人とは


労働者が50人以上の事業場は、産業医を選任する義務があります。常時1,000人以上(一定の有害業務では500人以上)の事業場では専属の産業医が必要で、それより小さい事業場の多くは、非常勤の嘱託産業医と契約します。
嘱託の仕事は、訪問して行う職場巡視や面談、衛生委員会への出席、健診結果の確認などです。職場巡視は、労働安全衛生規則で少なくとも毎月1回(一定の条件を満たせば2か月に1回)と定められています。
そのため嘱託の求人は、月1回か隔月1回の訪問で、1回あたり1〜2時間ほどの案件が中心になります。
1社あたりの報酬は限られるので、嘱託だけで収入を安定させるには、案件を何社か増やしていく必要があります。始めたばかりのころは収入がばらばらで安定しないのも、嘱託の実際です。



嘱託は、案件を1社ずつ増やしていける働き方です。だからこそ、1社ごとの条件の見極めが大事になります。
求人で最初に見るのは、距離・報酬・人数規模のバランス


私が嘱託の求人で最初に見ているのは、距離、報酬、従業員の人数規模の3つのバランスです。
どれか1つが良くても、ほかが合わなければ続きません。とくに見落としやすいのが、人数規模と訪問時間の関係です。
人数に対して時間が短すぎる案件は不完全燃焼になる
従業員が多いのに訪問の時間が短すぎると、面談も巡視も十分にできず、不完全燃焼になります。企業のためにできることが少なくなってしまうのです。
たとえば、50人ほどの事業場なら1時間でなんとかなることもあります。一方で、200人の会社を30分で見ようとするのは、なかなか難しいです。



報酬だけでなく、人数と時間が釣り合っているかを見るんですね。
求人を見るときの5つの条件


距離・報酬・人数規模に、訪問の頻度と契約の細かい条件を加えた5つを、私は求人を見るときに確かめています。
1. 距離(移動にかかる時間)
嘱託は毎月か隔月で通う仕事です。移動の時間も含めて、続けられるかを考えます。未経験のうちは遠方の案件のほうが声がかかりやすいので、最初は遠方も候補に入れると選択肢が広がります。
2. 報酬
私の感覚(2026年時点)では、紹介会社経由で1〜2時間の訪問で3万〜4万円がボリュームゾーンです。下は30分1万円から、上は1日8万円まで幅があります。1時間2.5万円の案件は結構あり、1時間3万円ならかなり良い相場です。
3. 従業員の人数規模
人数が多いほど、面談の対象者も、健診結果の確認も増えます。訪問の時間と合わせて、無理のない規模かを見ます。
4. 訪問の頻度と1回の時間
月1回か?隔月か? 1回は何時間か? 人数規模と合わせて、その時間で必要な仕事ができるかを考えます。
5. 交通費と契約期間
交通費が報酬に含まれるのか、別に出るのかは、案件によって違います。最初の契約期間に区切りがあるかも確かめておくと、合わなかったときに見直しやすくなります。



5つのうち、まずは距離・報酬・人数規模。この3つのバランスが取れていれば、長く続けやすい案件です。


報酬が高い求人ほど良いとは限らない


報酬が高い求人は、人数が多い、訪問時間が長い、業務が多いなど、それに見合った理由があることがほとんどです。
大切なのは、報酬の額より、その時間で企業のために何ができるかです。時間が足りずに不完全燃焼になる案件は、報酬が高くても続けにくくなります。
逆に、報酬が控えめでも、移動が短く、人数と時間の釣り合いが取れた案件は、無理なく続けられます。1社目の経験を積む段階では、こうした案件から始めるのも良い選択です。



報酬の額だけで比べないようにします。
嘱託の求人はどこで探す?


嘱託の求人は、医師向けの求人サイトの公開案件にも出ていますが、多くは紹介会社や健診機関を通じて企業から依頼されます。
紹介会社はどこも産業医の案件を抱えていることが多いですが、いつも案件があるとは限りません。登録して「嘱託の産業医をやりたい」と定期的に伝えておくことが大事です。
未経験の先生は、遠方の案件や健診機関経由の案件が入口になりやすいです。詳しくは、こちらの記事にまとめています。


合わない案件は、正直に断ってよい
紹介会社に複数登録しても、電話が鳴りやまないようなことはありません。条件が合わない案件が届いたときは、「予定がいっぱい」「単価的に見送る」と正直に伝えて断れば大丈夫です。
断ったからといって、次の案件が来なくなるわけではありません。受けたい条件をはっきり伝えておくほうが、担当者も案件を探しやすくなります。



求人を待つだけでなく、受けたい条件を担当者に伝えておくと、合う案件が届きやすくなります。


登録先を先に見ておきたい方は、以下の3社から始められます(広告)。どこも登録は無料で、産業医の求人も扱っています。求人は会社ごとに違うので、2〜3社に登録しておくと案件を比べやすくなります。希望の働き方は事実どおりに選んでください。
まとめ
今回は嘱託(非常勤)の産業医の求人の探し方と、求人を見るときの条件に関して紹介を行いました。
- 最初に見るのは、距離・報酬・従業員の人数規模のバランス
- 人数に対して訪問の時間が短すぎる案件は、不完全燃焼になりやすい
- 訪問の頻度と1回の時間、交通費と契約期間も確かめる
- 報酬は1〜2時間で3万〜4万円がボリュームゾーン。高い報酬には理由がある
- 求人は紹介会社や健診機関を通じて来ることが多い。複数に登録して、条件を伝えておく



以上、「嘱託産業医の求人の探し方」についてまとめました。距離・報酬・人数規模のバランスで、続けられる案件を選ぶことをオススメします。
産業医の仕事の探し方の全体は、こちらの記事にまとめています。









