産業医への転職体験談。コネも経験もない医師10年目が1社目に出会うまで
こんにちは。産業医の角田拓実です。
今回は私自身が産業医に転職したときの体験談について書いていきます。
産業医に興味はあっても、「コネがないと無理なのでは」「経験がないと採ってもらえないのでは」と迷っている先生は多いと思います。
私も、始めたときはコネも産業医の経験もありませんでした。いまは産業医7年目で、これまでに50を超える事業場に関わり、約30社を担当しています。
この記事では、産業医を目指したきっかけから、1社目に出会うまでと、その後の流れを時系列でまとめます。
Dr.瑛理コネも経験もないところから、どうやって1社目が決まったんですか?



時間はかかりましたし、落ちた面接もありました。順番にお話しします。
産業医を目指したきっかけは、医師10年目の転機


産業医を始めたのは2019年ごろで、医師になって10年目くらいのときでした。
それまで在籍していた大学の講座を離れることになり、仕事のあり方を変えようと考えたのが最初のきっかけです。
そのときに目に留まったのが産業医でした。病院の外で、働く人の健康を職場ごと見ていく。職場の健康管理は、病院や大学とは違う面白さがある分野だと感じたのです。



大きな決意というより、仕事を変える節目に「この分野は面白そうだ」と思えたのが始まりでした。
紹介会社に登録してから、1社目の訪問まで約4か月


コネがなかったので、入口は紹介会社でした。紹介会社に3社ほど登録し、そこから1社目の訪問まで約4か月かかりました。
決まるまでに3〜4社ほど話を受けた
登録すると、担当者から案件の紹介が来ます。決まるまでに、3〜4社ほど話を受けたと思います。
正直に言うと、紹介の場は未経験者に優しくありません。産業医をやりたい経験者はたくさんいるからです。
大企業の案件は、面接まで行っても経験で切られた
大企業の案件では、面接まで進んでも、最後は経験のところで切られることが普通にありました。
担当者に伝えたことで、回ってくる案件が変わった
担当者には「産業医は未経験です。まず1社目を経験したい。遠方でも構いません」と伝えていました。
この一言で、担当者が回してくれる案件が変わります。遠方、訪問頻度が低い、報酬が控えめといった、経験者が敬遠する条件の案件を優先して紹介してもらえるようになりました。
担当者に背中を押された
担当者に特別に助けてもらったことは多くありません。ただ、「やってください」「やるでしょう」と背中を押されて受けた案件はありました。
迷っている段階で、受ける方向に押してくれる担当者がいたのは大きかったと思います。



4か月かかって、面接で落ちることもあったんですね。



最初はそれが普通です。紹介会社は複数登録して、話を受ける機会を増やしておくのがオススメです。


1社目は片道1時間半の小売業の事業場


決まった1社目は、小売業の事業場でした。
片道1時間半かけて行き、現地での仕事は1時間ほど。報酬は交通費と同じくらいの水準でした。条件だけを見れば、決して良い案件ではありません。
それでも行ったことが、その後のすべての入口になりました。1社目の経験があると、次からは「経験あり」として話が進みます。
健診機関から産業医の依頼を受けていた時期もあります。巡回健診の仕事をしながら、その機関に来る産業医の相談を受ける形でした。



1社目は条件より「始められること」を優先しました。結果的に、それがいちばんの近道でした。


嘱託を増やし、専属産業医も経験した


1社目のあと、嘱託の案件を少しずつ増やしていきました。嘱託を5〜6件担当していたころ、製造業の大企業の専属産業医を経験しています。
嘱託を増やすときに見ていた条件
2社目以降は、条件を見て選べるようになります。私が最初に見ていたのは、距離、報酬、従業員の人数規模のバランスです。
人数のわりに訪問の時間が短すぎると、不完全燃焼になり、企業にできることが少なくなってしまいます。50人ほどの事業場なら1時間でなんとかなることもありますが、200人の会社を30分で見るのはなかなか難しいです。
単発の面談などから、継続の依頼につながることも結構ありました。評価されるのは内容より段取りです。日程どおりに来る、事前資料を読んでおく、意見を期限内に出す。この当たり前が、次の依頼を呼びます。
専属の話は人材紹介会社の関係のサイトから
専属の話は、ある人材紹介会社の関係のサイト経由で依頼を受けたものでした。
専属の面接で聞かれたこと
面接は一次と二次の2回でした。聞いてきたのは、その会社にいた産業医の先生です。
- なぜ産業医をやっているのか
- 3管理(作業環境管理・作業管理・健康管理)とは何か
- 産業保健に関わる法律を知っているか
- 産業医として何を大事にしているか
知識を確かめる質問も少しありました。一般的な社員の面接に比べれば、ゆるいと感じます。
専属を離れた理由
専属では、朝から工場に出勤し、午前は面談、午後は巡視や衛生委員会、健診結果の処理と書類作りをしていました。まとまった時間働けて収入が安定し、毎日従業員と話せるので、トレーニングとしても良い経験でした。
一方で、専属は社員として振る舞う必要があり、人間関係が密になりやすい働き方です。嘱託のようにドライに情報を提供する立場とは違う気遣いが増え、最終的には専属を離れました。



専属の面接では、知識も聞かれるんですね。



なぜ産業医なのかと、3管理といった一般的な内容は自分の言葉で話せるようにしておくと安心です。
7年目のいま。約30社を担当し、週3日を産業医業務に


いまは独立して、約30社を担当し、週3日を産業医業務に使っています。残りの日は、スタートアップのDX事業などに関わっています。
愛知は製造業の街なので製造業が多いですが、商社、IT、運送など、業種はさまざまです。
遠方の小売業1社から始まって、ここまで来ました。案件は一気に増えるものではなく、1社ずつ増やしていくものだと実感しています。



1社目の経験が2社目を呼び、2社目が次を呼ぶ。案件はそうやって増えていきました。
振り返って、これから始める先生に伝えたいこと


当時の自分に言うとしたら、次の3つです。
- 紹介会社は複数登録する。決まるまで数か月かかるのは普通で、話を受ける機会を増やすことが近道
- 1社目は「始められる案件」を選ぶ。遠方や条件が控えめな案件でも、経験は次につながる
- 面接の前に、なぜ産業医なのかを言葉にしておく。専属の面接では基本的な知識も聞かれる



まずは紹介会社に登録して、始められる案件を探すところからですね。


登録先を先に見ておきたい方は、以下の3社から始められます(広告)。どこも登録は無料で、産業医の求人も扱っています。求人は会社ごとに違うので、2〜3社に登録しておくと案件を比べやすくなります。希望の働き方は事実どおりに選んでください。
まとめ
今回は産業医への転職体験談に関して紹介を行いました。
2019年ごろ、医師10年目で大学の講座を離れたのをきっかけに、コネも経験もないまま産業医を始めました。紹介会社に登録してから1社目の訪問まで約4か月、決まるまでに3〜4社ほど話を受け、大企業の面接では経験で切られることもありました。
1社目は片道1時間半の小売業の事業場。そこから嘱託を増やし、専属も経験して、7年目のいまは約30社を担当しています。



以上、「産業医への転職体験談」についてまとめました。まずは紹介会社に登録して、話を受ける機会を作ることをオススメします。
紹介会社の選び方は、こちらの記事で比べています。












