研修医のうちに産業医の資格を取る。直産を考える初期研修医の準備
こんにちは。産業医の角田拓実です。
今回は「研修医のうちに産業医の資格を取る」ことについて解説していきます。
初期研修のあとすぐ産業医になる「直産」を考えている先生や、いずれ産業医もやってみたいと思っている研修医の先生は、資格をいつ取るかで迷うと思います。
私が日本医師会認定産業医を取ったのは、医師7年目ごろ、基礎医学の講座にいたころでした。そのうえで、これから取る先生には研修医のうちに取ることをおすすめしています。
Dr.瑛理研修医のころに、資格のことまで考えていませんでした…。



研修医のうちが、いちばん取りやすい時期かもしれません。理由から順番に見ていきましょう。
産業医の資格は、研修医のうちに取るのがおすすめ


研修医のうちに取ることをすすめる一番の理由は、夏休みをしっかり取れることが多いからです。
専攻医になると、研修医のころに比べて、まとまった休みはなかなか取れません。忙しくなってから「いつか取ろう」と思っていると、どんどん後回しになります。
産業医の資格として医師がいちばん目指しやすいのは、日本医師会認定産業医です。基礎研修の単位をそろえて申請すると取得できます。集中講座を使えば、1週間ほどで単位をそろえられます。



忙しくなる前に取っておく、ということですね。



はい。単位の内訳や講座の選び方は、こちらの記事で詳しく解説しています。


夏休みと集中講座の日程を合わせて、抽選を当てる


研修医のうちに取るなら、集中講座の日程に夏休みを合わせるのが現実的です。
集中講座は人気があり、抽選に落ちることも少なくありません。申し込みから認定までは、私の場合で半年ほどかかりました。夏休みを決める前に講座の日程を調べ、申し込みの時期を逃さないようにしましょう。
研修中に取るときの段取りの例
| 時期 | やること |
|---|---|
| 夏休みの半年ほど前 | 集中講座の日程と申し込みの時期を調べる。MAMIS(医師会の会員情報システム)に登録しておく |
| 申し込みの時期 | 講座に申し込み、抽選の結果を待つ |
| 夏休みの前 | 研修病院の担当の先生に相談し、夏休みを講座の日程に合わせる |
| 夏休み | 集中講座を受ける(6〜7日間で50単位) |
| 受講のあと | 認定を申請し、認定証が届くのを待つ |
研修病院とは、まず話をして調整する
集中講座のために、研修病院から特別な許可や追加の休みをもらえることはまれです。基本は夏休みの中で受けることになります。
ただ、交渉もありだと思います。研修病院の担当の先生にきちんと話をして調整するのは、大人の第一歩だと思います。



研修病院に休みの相談をするのは、少し勇気がいりそうです。



早めに、正直に相談するのがいちばんです。産業医の仕事の練習だと思って調整してみましょう。
資格はすぐに使えなくても、チャンスが来たときに動ける


正直にいうと、研修医のうちに資格を持っていても、研修中に役に立つことはあまりありません。
それでも取っておく意味は、専攻医になってからでも、仕事の話が来たときにすぐに動けることです。資格があれば、いつでもチャンスに手を伸ばせます。
何年か先に後回しにしないことも大事です。
| 取る時期 | よいところ | 気をつけること |
|---|---|---|
| 研修医のうち | 夏休みをしっかり取れることが多い | 研修中はすぐには使わない |
| 専攻医になってから | 仕事の話が来たら、そのときに取れる | まとまった休みが取りにくい |





使うのは先でも、持っておけば選べる道が増えるんですね。



はい。資格は「いつでも動ける状態」を作るためのものだと考えておきましょう。
初期研修のあいだは、産業医として働くより研修に集中する


資格を取ったら、すぐに産業医の仕事をしてみたくなるかもしれません。ただ私は、初期研修のあいだに産業医として働くことは、あまり望ましくないと考えています。
初期研修のあいだは、医師としての研修をしっかりしていただくのがいいと思います。副業は、研修が終わってからいくらでもできます。
臨床研修を受けている医師は、臨床研修に専念し、その資質の向上を図るように努めなければならない。
医師法 第16条の5



資格を取ったら、すぐに使わないともったいない気がしていました。



研修中は研修に集中して、産業医の仕事は研修のあとに始めましょう。
研修中にやっておくこと。いろいろな科を見て、研修後の段取りをする


資格のほかに研修中にやっておくといいのは、いろいろな科を見ておくことです。
2年間でいろいろなことを学べば、産業医をやるときに生きてきます。研修医が終わってからのほうが人生は長いので、焦らなくても大丈夫です。
紹介会社に登録して、専属から始める準備をする
直産を考えているなら、可能であれば研修中に紹介会社に登録しておくのがおすすめです。
最初は専属産業医でキャリアを始めたほうが、成長して実力もつくと考えています。研修が終わる時期に合わせて専属の求人を探せるよう、段取りをしていくのが進めやすい形です。
直産の進み方と、最初に専属を選ぶ理由は、こちらで詳しく解説しています。





研修中は研修に集中して、そのあとの準備だけ少しずつ進めておくんですね。



はい。専属の働き方もあわせて見ておくと、研修後のイメージがつかみやすくなります。
研修医の産業医資格でよくある疑問
研修医でも集中講座を受けられますか?
集中講座の対象は「認定産業医を希望する医師」などとされているものが多く、医師であれば申し込める講座が一般的です。受講資格は講座ごとの要項で確かめてください。
費用はどのくらいかかりますか?
集中講座の受講料は、2026年度の例で約3万〜21万円です。主催者と、医師会の会員かどうかで変わります。研修医のうちは出費も気になるので、要項で早めに確かめておきましょう。
医師会に入っていなくても取れますか?
取れます。研修は非会員でも受けられます。ただ、受講料は会員のほうが安く設定されていることが多く、東京科学大学の研修会では会員と非会員で最大8万円の差があります。
夏休みに取れなかったら、地域の研修で集められますか?
集められますが、時間がかかります。後期研修は全国で頻繁に開かれていますが、前期研修と実地研修は開催が少なく、申し込みも当たりにくいからです。私も最初は地域の研修で集めようとして、結局、集中講座を選びました。



抽選に落ちたときの選択肢は、取り方の記事でも解説しています。早めに計画を立てておきましょう。
専属(常勤)の求人を探すなら、以下の3社から始められます(広告)。どこも登録は無料です。求人は会社ごとに違うので、2〜3社に登録しておくと比べやすくなります。希望の働き方は事実どおりに選んでください。
まとめ
今回は研修医のうちに産業医の資格を取ることに関して紹介を行いました。
- 研修医は夏休みを取りやすい。専攻医になると、まとまった休みはなかなか取れない
- 集中講座の日程に夏休みを合わせ、申し込みと抽選の時期を逃さない
- 研修病院の許可や追加の休みはまれ。担当の先生にきちんと話して調整する
- 資格は研修中には使わなくても、仕事が来たときにすぐ動ける
- 初期研修のあいだは働くより研修に集中する。副業はあとからできる
- いろいろな科を見て、研修後に専属から始める段取りをしておく



以上、「研修医のうちに産業医の資格を取る」についてまとめました。夏休みの集中講座で資格を取り、研修後は専属から始める段取りをするのをオススメします。
紹介会社の選び方と登録の順番は、こちらの記事も参考にしてください。








