産業医の単位ってどう集める?知らないとマズイ注意点とコツを解説します

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産業医の単位ってどう集める?知らないとマズイ注意点とコツを解説します

今回は産業医の資格である日本医師会認定産業医の入手方法に関して説明を行います。

集中講習では無く単位をコツコツ集める方法に関して紹介していきます。

単位もただ集めればいいというものではありません。

集中講座が取れなかった・ゆっくり集めるスタイルで問題ない方は本記事を参考にしていただければ幸いです。

Dr.巴

50単位集めていくにもコツがありますので解説していきますよ。

知って起きたい産業医単位のこと

単位を集めての基礎知識

すでに先生方はご存じだと思われますが、産業医の認定を貰うためには産業医の講習会に出席して50単位を取得・提出する必要があります。

1単位=1時間に相当するため50時間の講習を受講する必要があります。

単位取得は各地の医師会を中心に行われています。医師会以外の勉強会でも申請済みであれば単位が取得できるケースも増えています。

基本的には単位に使用期限はありません。しっかりとコツコツ単位を集めていきましょう。

Dr.巴

小さめの講習会であれば2単位取得が多いですね。15~25回くらいは講習会への参加が必要でしょう。

単位には種類がある?

産業医の単位には種類があることを知っておきましょう。

まずは日本医師会のサイトから引用した単位の種類に関して確認してください。

基礎研修の内容(50単位以上(ただし、1時間の研修を1単位とします。))

日本医師会は都道府県医師会を通じて「産業医学研修手帳(Ⅰ)」を交付します。
研修会の実施主体者はこれに受講修得単位を記載し、証明します。

①前期研修(14単位以上)

入門的な研修

  • 総論 2単位
  • 健康管理 2単位
  • メンタルヘルス対策 1単位
  • 健康保持増進 1単位
  • 作業環境管理 2単位
  • 作業管理 2単位
  • 有害業務管理 2単位
  • 産業医活動の実際 2単位

上記8項目の研修については、それぞれの単位の修得が必要です。

②実地研修(10単位以上)

主に職場巡視などの実地研修、作業環境測定実習などの実務的研修

③後期研修(26単位以上)

地域の特性を考慮した実務的・やや専門的・総括的な研修

引用:日本医師会 「日本医師会認定産業医」制度について

50単位に関して1週間の集中講座であれば単位の種類含めて過不足なく取得できます。

一方で、個人で50単位を集める際は自分自身で必要な種類の単位を集めていく必要があります。

特に後述する前期研修・実地の単位を得られる講習会は多くはありません。

事前のリサーチ・取得計画を練った上で講習会の受講プランを練る必要があるでしょう。

Dr.瑛理

単位にも種類があるのですね。ちゃんと計画を立てたうえで単位を集めなきゃ。

単位フリマ事件の影響

2024年産業医認定の単位の売買がフリマアプリへの出品が確認されました。

当然医師会の逆鱗に触れ厳重な対策が取られるようになりました。

講習会によっては名前と単位の数字を記録されることもあります。

売買は当然ですが、友人間での受け渡しに関しても行ってはいけません。

Dr.巴

そもそも、医師として不適切ですね。単位の売買や横流しは絶対に行わないようにしてください。

前期研修・実地に注意しよう

取得に注意が必要な前期研修に関して

前期講習は産業医講習の中でも特に産業医にとって基本的な内容を解説する研修です。

ここでも医師会のHPから引用させていただきます。

①前期研修(14単位以上)

入門的な研修

  • 総論 2単位
  • 健康管理 2単位
  • メンタルヘルス対策 1単位
  • 健康保持増進 1単位
  • 作業環境管理 2単位
  • 作業管理 2単位
  • 有害業務管理 2単位
  • 産業医活動の実際 2単位

上記8項目の研修については、それぞれの単位の修得が必要です。

引用:日本医師会 「日本医師会認定産業医」制度について

これらの内容は産業医は必ず知っていなければならない内容となっているため過不足無く提出をする必要があります。

ただしこの前期研修に関しては必須にもかかわらず実施回数が他の講習会と比べ多くないことが特徴です。

前期研修は年間の中でも後期に比べ数はかなり限られており、産業医取得のボトルネックとなることも多いです。

さらに、多くは中型の講習会として前期研修の5単位~10単位程度をカバーするボリューム感ものも多く、前期講習を複数回受けなければならないことも多いです。

産業医取得を考えた際は「前期研修をどのようなスケジュールで受けるか?」を決めることが望ましいでしょう。

Dr.巴

前期研修の単位取得の機会は限られています。しっかりと計画しておきましょう。

実地の講習は限られているので注意

前期講習と同様に研修に限りがあるものが「実地研修」です。

実地研修(10単位以上)

主に職場巡視などの実地研修、作業環境測定実習などの実務的研修

引用:日本医師会 「日本医師会認定産業医」制度について

実地研修は文字通り職場巡視などの実務的研修です。

職場巡視の研修を許可する事業所も多くは無く限られた研修回数となります。

最近の傾向ではメンタルヘルス実習の形で事例を提示してディスカッションをするタイプの実地研修も取り入れられています。

Dr.瑛理

10単位と意外とボリューム感があるため前期研修同様計画的に取得していきましょう。

後期単位は地道に集めよう

後期単位に関しては自分の興味ある研修を自由に取得してかまいません。

特別にこの分野を取得しなさいという縛りはないのです。

研修自体も多く取得に困ることはほとんどないでしょう。

ただし26単位とボリューム感はあるためしっかりと集めていただければと思います。

Dr.巴

「後期研修」ですが、最初に受けても問題ありません。最終的に申請時に50単位がそろっていれば問題ありません。

講習に関する情報は医師会の検索システムを活用

医師会の検索システムを使産業医研修を受けていく上では情報収集はとても大切になってきます。

基本的には誰かがコーディネイトしてくれるものではありませんので、主体性をもって情報収集をしていきましょう。

とはいえ、以前は情報が様々な場所に落ちている状況でしたが、ありがたいことに医師会のHPが更新されました。

検索システムが優秀ですのでほとんどこ医師会サイトでよいといえる状況になっています。

地域や講習の種別に関して検索が可能

医師会のHPでの情報収集は現在もっとも効果のある情報リソースです。

以前はリストが公開されているのみでしたが、現在は詳細検索も対応しており簡単に検索ができるようになっています。

Dr.巴

医師会のサイトを中心に情報収取をするのが現状オススメですね。使い心地がかなりアップしています。

オンライン講習会に関して

産業医の講習会は今まで原則が対面での講習会でした。

基本的には現地で講習会に出てくださいというスタンスです。現在でも基本としてのスタンスとしては変わりませんが、少しずつオンライン講習が認められるようになってきました。

ただし、オンラインで認められている講習は「更新時5単位」であり新規は対象ではありません。

新規の単位取得にはオンラインが認めらていないことは覚えておきましょう。

Dr.巴

今後の動き次第では新規でも利用できる可能背はありますが、現段階ではオンラインは認められていないのは残念ですね。しっかり把握しておきましょう。

単位の提出から1~2カ月ほどで認定書が届く

無事に50単位が集まったら地域の医師会に申請を行いましょう。手帳を発行された際の医師会に単位シールを貼り付けた上で提出をおこないます。

提出前には必ず単位にミスが無いかを確認の上提出を行いましょう。

申請ができ認定書が届けば無事認定産業医として認められます。

だいたい1~2カ月ほどで認定書は届きます。

なお、認定期間は5年間になります。更新の際は20単位=20時間の講習が必要です。

こちらの更新単位は取得は講座は多く比較的入手しやすいため安心をしてください。ただし実施に関してはこちらも単位を取得する機会が少ないため注意は必要です。

Dr.巴

更新単位の研修は「生涯研修」と呼ばれています。種類は更新・専門・実地とありそれぞれ最低1単位は取得する必要があります。

認定取得のタイミングをずらす裏ワザ

産業医の資格は欲しいけれど今すぐでは無くてもよいという先生もいらっしゃいます。

中にはこんな方法で取得時期を調整する先生もいらっしゃるようです。

その方法とは49単位まで取得を行い、最後の50単位を産業医の資格が必要になるギリギリまで取得しないという方法です。

5年間の認定期間を実質延ばすことが可能なため実践されている先生もいるようです。

Dr.巴

産業医の仕事はふと紹介されることも多いです。認定書の発行には2カ月程度はかかりますので、あらかじめ取得しておく方がスムーズだと私は感じます。

まとめ

ここまでお読みいただきありがとうございました。

今回は産業医の単位をコツコツ集める際の注意点とコツに関して解説を行ってきました。

集中講座の枠が非常に限られてきています。

急いで産業医資格を取得する必要の無い先生はゆっくり資格を取っていくことも視野に入るかと考えます。

本記事を参考にあせらずゆっくり確実に産業医を目指していただければと考えます。

引き続き当サイトでは情報発信を行っていきますのでよろしくお願いします。

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この記事を書いた人

医局での多忙な業務を行う中で自分の時間を確保する生活スタイルを確立するために産業医に転向。コネクション無し、業務経験無しの状況から産業医業務を開始。多数の事業所を経験した後、現在は産業医事務所を設立している。
資格:日本医師会認定産業医/医学博士/労働衛生コンサルタント(保健衛生)

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