【現役医師解説】産業医を始める際に読むべきオススメ教科書5選
こんにちは。産業医のDr.巴です。
産業医として1社目の壁を超えるためには産業医としての知識を十分に高めておく必要があります。
産業医を受け入れる職場は一部の例外を除いては基本的には産業医の一人職場であることがほとんどです。
経験は実際に実務を積まなければ身につかない部分も多いですが、知識に関しては事前に修得できることも多いです。
現役産業医が初学者にオススメする書籍をチェックしてみて下さい。
産業医初学者のオススメ書籍をチェックしていこう
今回は特に産業医をこれから始めていく先生にオススメの書籍を紹介していきます。
あまり学術的な内容や高度な内容があるととっつきにくくなってしまいます。
あくまで採用面談~初回訪問に対応できる力を付ける書籍を提示していきます。
産業医として学んでいく範囲は非常に広いですが、まずはコアの部分をしっかりと学んでいきましょう。
教科書ごとのレベル感はありますが、まずは実務書をしっかり読み込み「自分が働いているイメージ」を付けていきましょう。
産業医はじめの一歩
産業医はじめの一歩はオススメの紹介会社でも紹介したiCAREのCEOで産業医である山田洋太先生と川島恵美先生が書かれた初学者向けの教科書です。
初学者向けとはいえ内容は非常に実践的になっており、産業医として経験を積んだ現在でも「ハッと」させられることが多いです。
私自身初めて産業医を経験する際にこの本を読み込み現場に向かったことを記憶しています。
失敗しがちな言動に関しても会話形式で記載されているために「絶対にこの言葉は言わないようにしよう」と考えながら職場に訪問したものです。
周りに産業医のことを聞くことができる先生がいない場合は、ぜひこの本を熟読してイメージを膨らませておきましょう。
嘱託産業医スタートアップマニュアル
嘱託産業医スタートアップマニュアルは2018年に発売されたやや古い教科書です。
改訂版は発売していませんが、色あせない名著となっています。
この本では第1章で産業医の「仕事の探し方」「契約書の読み方」「ビジネスマナー」といった産業医としての基本的な部分が語られています。
その後は実際に業務の考え方、書類の書き方、職場巡視の方法など嘱託産業医の必須業務に関して詳しく書かれています。
私自身もこの本で入手した様々な書式を自分の業務にカスタマイズして使用しています。
この書式だけでも元が取れると言っても過言ではありません。
本書の書式は非常に有用です。はじめの一歩からもう少しステップアップを図っていく際はぜひ本書を購入して見ましょう。
まるわかり職場巡視-工場篇-
丸わかり職場巡視は職場巡視の実践方法と理論に関しての書籍です。
職場巡視は講習会での勉強はすると思われますが、イメージは湧くもののピンとこない先生もいらっしゃると思います。
本書では労働衛生コンサルタント試験のカリスマ講師である「加部勇先生」がプロが現場で見るべきポイントを詳しく解説してくれています。
工場など危険有害性が高い職場を担当になる場合はしっかりと読み込んでみてはいかがでしょうか?
職場巡視は産業医のキホン中のキホンです。何となく危ないではなくしっかりと巡視できるようにしていきましょう。
産業医の職務Q&A
産業医の職務Q&AはQ&A形式の書籍ながらも産業保健の成書のような立ち位置で利用できる教科書です。
デザインは学部時代に利用していたテキストに近い見た目になっていると感じる先生もいらっしゃるのではないでしょうか?。
総論部分もしっかりとしており実際に業務を行う際の指針として原則を学んでいくことが可能です。
ただし、産業医をこれから学んでいく先生にとっては普遍的な内容が多く含まれていることは事実です。
今すぐ買う必要はありませんが、第11版の発売を待って購入することも手だと考えます。
Q&Aの形式を取っていますが、実態は教科書です。家に1冊は置いておきたいですね。
労働衛生のしおり
労働衛生のしおりは毎年発売される労働衛生に関わるハンドブックです。
一部の界隈では「バイブル」と呼ばれることもあるようです。
産業保健のポイントがしっかりとまとまっています。
やや文章が固いところがあり、この本がしっかり読めるようになると「勉強が進んできた証拠だね」といわれることもあります。
初めて読んだときは全く手が出ませんでしたが、勉強を続けていくうちに心強い一冊になりました。初学者のうちからカバンに入れて持ち運ぶのも良いでしょう。
まとめ
今回は産業医の初学者が読んでおくべき教科書に関して解説を行ってきました。
嘱託産業医の業務を行う上で最低限必要な知識+αをしっかりと学ぶことができる内容です。
知識だけでもしっかりと身に付けて採用面接に臨んでいただければと思います。